普段使ってるノートPCから、ある日突然異音が鳴り始めたりしたら『このPCってもう寿命なのかな』と考えてしまうかもしれません。
しかし異音の発生源がCPU冷却ファン(以下、冷却ファン)なら、意外と簡単に直せます。
しかも、しばらくPCを買い替える必要もありません。
今回は私が実際におこなった方法を元にノートPCに異音が鳴った場合の対処方法を纏めました。
本題に入る前に
本記事は、ご自身でノートPC内部を開けてあれこれいじることに抵抗が無い前提で書いてる箇所があります。ご自身でノートPCを分解した場合にどこか破損してしまったりすると、サポート対象外になることもありえます。
分解作業には十分注意が必要です。
ご自身で対応する場合は自己責任でお願いします。
PCを分解することに抵抗のある方や、壊れるリスクを許容できない方は本記事の内容を参考の上、ご利用中PCのメーカーやご購入元あるいはPC修理専門店に相談してください。
また、ご自身で対応する・しないに関わらず異音が発生した時点で、バックアップをとっておくことが望ましいです。
定期的にバックアップを取っていない方はこれを機におこなうことをおススメします。
大事なデータのバックアップ手段
バックアップをとる手段については外付けHDDまたはSSDにとるのが一番楽。SSDはソリッドステートドライブの略です。
HDDよりも高速かつ衝撃にも強く持ち運びもしやすいです。
ちょっとお高くはなりますが、これを機に外付SSDを購入するのも良いでしょう。
また、クラウドのストレージサービスを利用する手もあります。
有名どころだとGoogleドライブやOneドライブ、DropBoxなどがありますね。
さらに、セキュリティソフトにも定期的に指定したデータのバックアップをクラウド上に残す機能があります。
例えば私はNortn360のオンラインバックアップストレージも利用しています。
ただし、クラウドサービスを利用するにはネットワーク接続が必要です。
ということは、ネットワーク上にあらゆるデータを流すリスクがあるとも言えます。
従ってクラウド上でバックアップを取る場合は、データの種類を限定するなどセキュリティリスクを軽減した上で利用することが望ましいでしょう。
ノートPCの分解方法
ノートPCの分解といってもバラバラにするわけではありません。今回の記事で想定しているのは以下の2点のみです。
- ノートPCの底面カバーを開ける
- 冷却ファンを取り外す・取り付ける
何かしら見ないと不安な方は分解方法を検索しYouTube等で確認してみてください。
ノートPC内部に溜まった埃が原因で異音が鳴る?
ノートPCから鳴る異音が冷却ファンや排気口に溜まった埃が原因のケースはこの記事では取り扱いません。埃が溜まりすぎて熱暴走を起こし、それが異音に繋がることもあるようです。
しかし、私は熱暴走に至るほどの埃が溜まっていた経験がないのです。
この辺は使用環境・方法によるのかもしれませんね。
埃の溜まりが原因であれば、埃を取り除けば直るでしょう。
しかし、その埃を取り除いても異音が直らないケースをこの記事では扱います。
ノートPCから異音がした場合の対応方法
ノートPCから鳴る異音
聞き覚えの無い音が突然なり始めたら、ノートPCのどこかしらの部品が故障中もしくは故障の一歩手前の状態です。そして故障の前兆を示す異音には、以下のような種類があります。
- カチカチ
- カタカタ
- キュルキュル
- カラカラ
- ガラガラあるいはガーッ
- 無音
1から3までは内臓HDDに異常があるケース。
この場合は内臓HDDの修理・交換が急務。
使ってて問題がないように見えても、なるべく早めに対応しないとデータが破損してしまう可能性が十分有り得ます。
4以降は冷却ファンに異常があるケース。
『最後の無音は別にいいんじゃ?』
と思うかもしれませんが、静音設計のPCであっても少なからず起動中は何かしらの音が発生してるはず。
いつも聞こえていた音がまったく聞こえなくなってしまった場合は、冷却ファンが何らかの原因で正常稼働していないことも考えられるので注意が必要です。
異音の発生原因を見極めるには
異音の発生個所を音だけではどうしても特定できない場合、どうすればよいか?一番手っ取り早いいのは、中身を開けて確認することです。
底面カバーを取り外した状態で起動すれば、異音の発生個所も特定しやすいでしょう。
私の場合は念のために冷却ファンも取り外して確認しましたが、そこまではやらなくてもわかるかもしれませんw
内臓HDDから異音が鳴るケース
前述の1~3の音のケースつまり
カチカチ、カタカタ、キュルキュル
といった音が内臓HDDから聞こえる場合は非情にマズイです。
そのまま使い続けるとデータの読み書きを正常にできなくなりデータを破損してしまう可能性も有ります。
内臓HDDの故障は修理・交換しかありません。
なのでこのケースでは、データのバックアップを早急にとった上で内臓HDDを修理してもらうか交換するかどちらかです。
ただし、症状の進行具合によっては、バックアップを取るのもままならないというケースも考えられます。
こんな事態になることも有り得るのでデータは定期的にバックアップをとっておくことが大事なのです。
冷却ファンからカラカラ音が鳴るケース
カラカラと少し軽めの異音が冷却ファンから聞こえる場合、冷却ファンに何かしらの異物が混入しています。
以前分解した際に入ってしまったネジとかあるいは、どこかの部品の一部……
それはそれでまた別の問題がありそう(笑)
いずれにしても冷却ファンからその異物を取り除けば音はおさまるでしょう。
何が混入していたかという問題はありますが、それはまた別の話になるかもしれないのでここでは割愛しておきますw
冷却ファンからガラガラ音が鳴る、もしくは無音のケース
冷却ファンから鳴るガラガラ音これは前述のカラカラ音のような軽い音ではなく激しい騒音並みの音です。
ガラガラよりもガーガー音の方が近いかも。
私のノートPCからこの異音が聞こえ始めた時、まず音のうるささにビックリしましたw
この症状が出た時はしばらくすると異音がおさまり、またしばらくすると異音が鳴り―
という繰り返しを経て、最終的には異音が鳴りっぱなし状態になります。
また、無音の場合は冷却ファンが回転していないのかも。
冷却ファンの軸に埃がたまってたり、以前修理をした際の不手際で回転できなくなってたり。
そもそも冷却ファンのどこかしらが故障している可能性も考えられるでしょう。
これらの場合の対応方法は4つあります。
順番に見ていきましょう。
1.PCを新しく購入する【費用大・故障リスク無】
これは言うまでもないでしょう。この際PCを買い替えてしまえというやつですw
でも購入してからあまり経っていない場合は、流石に買い替えはちょっと躊躇いますよね。
何年も前に購入した古いPCなんかの場合に該当するケースでしょう。
2.メーカーやPC修理専門店に修理を依頼する【費用中・故障リスク無】
多少お金はかかるけど自分の不注意で壊すリスクはないので安心。まだ保証期間中なら猶更お願いした方がいいですよね。
PC修理専門店の価格をネットでざっと確認した限りでは、異音の調査と部品交換でだいたい1万円ぐらいが相場でしょうか。
データのバックアップもお願いすると、さらに1万円程かかるのでかかっても2万円程度。
ただ実際に見積もってもらうと他の経費が上積みされるかもなので金額はあくまでも参考程度に。
それでもPCを買い替えるほどの金額にはならないでしょうから、安全にお任せしちゃいたい方は修理依頼が安全です。
3.冷却ファンの軸に万能グリスを塗る【費用小・故障リスク有】
面倒だから自分で修理しちゃいたいという方におススメなのが、こちらの万能グリスによる対策。
私がおこなった異音対策の中で、最も効果抜群でした。
方法はとっても簡単。
冷却ファンをノートPCから取り外してさらに冷却ファンを分解。
そして万能グリスを冷却ファンの軸受けに塗る。
これだけです。
たったこれだけの対処のみでノートPC購入当初と変わらない音の静けさが復活します。
ちなみに一度塗ってから9カ月経過していますが静音を保ったまま、ファンは正常稼働中です。
塗る際には軸まわりと軸受の汚れをしっかりふき取ることを忘れずに。
埃もあれば取り除きましょう。
また塗る量が多すぎると逆に回転しずらくなることもあるので軸受にちょこんと塗る程度で。
このペースト状のグリス以外にもスプレーで吹きかけるタイプのものも販売されています。
このスプレータイプのシリコングリースメイトでも同様の効果が得られます。
また、ペースト状の万能グリスと違ってゴムやプラスチックにも使えます。
今回の万能グリスによる対策は基盤から冷却ファンを外した状態で塗ることを前提としています。
従って、ペースト状、スプレー式どちらを使っても問題ありません。
それでも心配な方はスプレー式のシリコングリースメイトで対策しましょう。
おそらくノートPCの異音の原因は冷却ファンの潤滑油切れがほとんどじゃないかと思います。
万能グリスによる対策は費用がかからず、しかも意外と簡単に直せちゃう。
その上即効性も持続性もあるので、ご自身で修理することに抵抗が無い方には一番おススメな対策方法です。
ただしこの対策をやる上で、一つ条件があります。
それは冷却ファン自体に異常がないこと。
冷却ファンの軸が何かしらの原因でブレてたり異常をきたしている場合は効果がありません。
持ったとしても数時間程度。
すぐに異音は復活します。
この場合は次に示すような、冷却ファンの交換で対応するしかないでしょう。
4.新しく冷却ファンを購入して交換する【費用小・故障リスク有】
前述したようにグリスを塗っても異音が直らない。そんな時は冷却ファンの軸ずれなどの原因で正常にファンが回転できていないケース。
この場合は、もはや部品を交換するしかありません。
冷却ファンの型番や製造番号でネット検索をすると、その冷却ファンと同一もしくは同類のモデルのものがAmazonや楽天で確認できるでしょう。
ただし、販売元は中国や海外であることがほとんど。
注文しても2週間から1カ月ぐらい待たされる場合もあることはご承知おきを。
日本のショップで販売している場合は、少し割高になってる印象ですね。
それでも千円から3千円前後の価格帯。
グリスを塗ってもどうにもならない場合は部品を探して交換するのも有りです。
もしくは諦めてPCを新調しましょう。
まとめ
ノートPCに異音が発生した場合は、PCを買い替える以前に自力で簡単に直す方法があります。異音の発生原因はほとんどが冷却ファンであり冷却ファンの軸受けに万能グリスを塗ることで異音をピタッと止めることができます。
ノートPCをまだ購入してから日が浅かったり、古いけどもうちょっと使い倒したいという方は是非万能グリスを試してみてください。
では今回はこの辺で。
ここまで読んでいただきありがとうございました!