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雑談#17 犠牲者全員の氏名を公表しないと事件の全体像を伝えられないマスコミなんて必要?

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先月7月18日に発生した
京都アニメーション放火事件(以下、京アニ放火事件)から
1か月
が経ちました。
改めて、亡くなられた方およびその親族・関係者の方々に哀悼の意を表します。
二度とこのような悲しく痛ましい事件が起きないことを願うばかりです。

そしてつい先日、この事件の実名報道について
マスコミが京都府警に申し入れをしたことそうなので
今回はその件に関して言及してみたいと思います。

お品書きはこちらになります。

 

1.マスコミ12社が京都府警に未公表25名の犠牲者の実名公表を申し入れ


2019年8月20日、
京都府内の報道12社でつくる在洛新聞放送責任者会議が、
京アニ放火事件によって犠牲者となった35名のうち、
身元未公表名の25名の速やかな公表を求める申し入れ書を提出したそうです。
以下、JIJI.COMからの引用です。

申し入れ書は植田秀人・府警本部長宛て。発生1カ月以上たっても発表がないことに触れ、「事件の全体像が正確に伝わらない」と懸念を伝えた上で、「過去の事件に比べても極めて異例」として速やかな実名公表を求めた。また、今回を先例としないよう要請した。
引用元:JIJI.COM

 「過去の事件に比べても極めて異例」っていうけど
その比較は正しいの?って思いつつ、
「事件の全体像が正確に伝わらない」
という部分、おそらく多くの人々が本当にそうか?って思ったのではないでしょうか。
私の場合は、「ちょっと何を言ってるのかわからないなっ」ていうのが率直な印象。
サンドウィッチマン富澤たけしさんを真似したわけではないw
そもそもこの報道12社の皆さんが言っている
「事件の全体像」とはなんぞや?
って感じです。
そして伝家の宝刀のように使っている「今回を先例としないよう要請」の部分。
マスコミが言うなって感じですけど(笑)、
むしろ今回の件を先例として、実名公表は慎重にすべきだと私は思いました。

2.在洛新聞放送責任者会議の構成は?

以下の通りです。
私の嫌いな朝日新聞(笑)や、
今何かと話題のNHK含め著名なマスコミばかりですね。

  1. 朝日新聞
  2. NHK 京都放送
  3. 京都新聞社
  4. 京都放送
  5. 共同通信社 京都支局
  6. 産経新聞 京都支局
  7. 時事通信 京都支局
  8. 中日新聞社 京都支局
  9. 日刊工業新聞社 京都総局
  10. 日本経済新聞 京都支局
  11. 毎日新聞社 京都支局
  12. 読売新聞社 京都支局

3.事件の全体像は正確に伝わっていないのか?

確かに、容疑者が重体から意識を取り戻したとはいえ
まだまともに話せる状態ではなく
事件の動機が何なのかは正確なところはわかりません。
ここは容疑者が回復次第、警察が入念に聴取をおこなって
明らかになってくるでしょうから、待つしかないです。

では現時点でこの京アニ放火事件でわかっていることは何でしょう?
以下、Wikipediaに記載からの抜粋を挙げていきます。
抜粋元:京都アニメーション放火事件 - Wikipedia

  1. 負傷した方の人数
    ⇒ 重症8人、中等症6人、軽傷20人の計34人
      ※容疑者も含めた数
  2. 亡くなった方の人数
    ⇒ 35人
  3. 亡くなった方の死因
    ⇒ 全身やけどなどの焼死27人、一坂炭素中毒4人、窒息死2人、不明1人
     ※病院で搬送後になくなった方は2人いるが35人目の方は含まれていない
  4. 亡くなった方の発見場所
    ⇒ 1階3人、2階11人、2階から3階への階段1人
      3階から屋上へ上る十数段の階段で折り重なるように倒れていた19人
  5. 亡くなった方の性別・年齢
    ⇒ 女性21人、男性14人
      年齢は20~60代で特に20~30代が半数以上
  6. 火災に遭った建物(第1スタジオ)の被害状況
    ⇒ 建物全焼。その場に遭った紙の作画や資料は消失。
      ただしデジタル化された原画などを収めたサーバーは難を逃れた
  7. 当時建物内にいた方の人数
    ⇒ 役員、従業員あわせて74人
  8. 容疑者の犯行の手口
    ⇒ 第1スタジオに侵入し
      バケツ2個で約10~15リットル前後のガソリンを
      建物1階や従業員などにかけライターで着火。
      その後爆発を伴う爆燃現象が発生
  9. 容疑者が犯行当時に所持していたと思われるもの
    ⇒ 包丁数本やハンマーの入ったリュックサック
  10. 事件前日と当日の容疑者の様子
    現場から南西500メートルはなれた公園に容疑者とよく似た風貌の赤いシャツの男性がいた
    ・事件発生直前に公園から北に100メートル離れたセルフ式ガソリンスタンド赤いシャツの男性が「発電機に使う」として40リットルのガソリンを購入
    ・容疑者は確保時赤いTシャツに青いジーンズを着用
    ・確保時に警察の問いかけに対して「ガソリンを撒いて多目的ライターで火をつけた」と供述
    ・怒った様子で「パクりやがって」と大声で叫ぶ姿が地域住民に目撃されていた

ざっと挙げただけでもこんな感じです。
犯行の動機は別として、これだけの情報があるにも関わらず
亡くなった方の全員の実名公表をしないと
事件の全体像が正確に伝わらないと言っているマスコミ12社。
逆に聞きたい。
被害者全員の実名公表をすると
なぜ事件の全体像が正確に伝わるのかを。
そして、あなたたちの考えている
「事件の全体像の定義」

「正確の定義」
具体的に教えてほしい。

あ、断っておきますが私が聞きたいのは一般論ではありません。
今回の京アニ放火事件に限っての話です。
一般論でいえば実名公表のあるべき論は理解してないわけではありません。
でもそんなのケースバイケースだと思います。
全ての事件を一般論に当てはめて一緒くたに議論をすると
個々の事件が固有にもつ特性を見失ってしまいます。
無理矢理に一般論に当てはめるのではなく、
一般論を当てはめてもいいケースなのか、
分けて考えた方がいいのか、
そこはまずよく検討するべきところだと思います。
といったことも含めて
是非納得のいくよう説明をしてもらいたいです。
さっぱりわかっていないので。

まぁ申し入れしているのが京都府警に対してなので
私に対して説明する義務はないって言われるのがオチ(笑)

4.警察が本事件の実名公表を一部に限っている理由

実名公表については、
警察が京アニ及び遺族の方々との話し合いの中で
遺族の方が公表してもいいと判断してくれた場合に限って公表しています。
警察側も実名公表することの意義を伝えつつ、
遺族の方々の感情に配慮しながら
広報方法とタイミングについて慎重に検討を進めているそうです。
京アニは実名公表自体を全面的に反対している感じですけどね。
そういった経緯もあって10人の被害者の遺族の方々が公表することを
承諾してくださって、8月2日に公表されました。

ちなみになんですが、知ってましたか?
公表してもいいと一度は踏み切ったものの
公表後にやはりやめてほしいと
変更を申し出た遺族の方がいた
ことを。
つまり、最終的には10人から9人になったのですが
それを受けてNHKとフジテレビは1名の方の公表をひかえたそうですが
それ以外のマスコミは結局10人全員公表したそうです。
一度公表を承諾してしまったとはいえ、
その気持ちが揺れるのもよくわかる気がします。
ただNHK含めて多くのマスコミが
取材を元にしてわかった犠牲者については
公表以前から報道していたんですけどね。
「ご遺族の方の気持ちに配慮した報道します」なんて
もっともらしいことを言っていても、
結局は面白いネタ、視聴率がとれるネタ、紙面が売れるネタだったら
やりたい放題というやり口にどうしても見えてしまいます。
マスコミ嫌いな人のうがった見方と言われればそれまでですが(笑)

5.実名公表によるデメリットが目立ちすぎている

確かに身元を匿名のままにしておくと、
憶測だったり謝った事実が垂れ流しになる懸念もあります。
それが結果として被害者やご遺族の方々の
プライバシーや名誉を傷つけることにもなりかねません。
とはいえ、遺族の方々からすれば
実名公表することによって
有象無象のマスコミからの取材攻勢があることでしょう。
全員とは言いませんが、
マスコミの中には
遺族の方々の気持ちをきちんと汲まずに
取材する方々もいるわけです。
それによってプライバシーや名誉を傷つけられた人たちも過去にいるわけです。
遺族の方の意向に沿わずに報道されたきたことが過去にたくさんあるわけです。
こういう過去のマスコミの不躾な報道手法の積み重ね
マスコミに対する信用を無くす結果となり、
実名公表に対しても世間では
センシティブな反応を見せているのだと思います。

それからよくあるのが、
その人が生きた証を残したいとか
亡くなった方を美談化したりしますが、
遺族の方がそれを望んでいる場合はいいですが、
遺族の方によっては余計なお世話かもしれません、
ほっといてくれって話かもしれません。
そこは遺族の方々と丁寧に
記事の内容や番組についての相談・説明をし、

承諾がもらえたら報道する、
という形にすればいいのですが

マスコミの方々は過去の全てのケースにおいて
今まできちんと遺族の方々と話し合い、
遺族の方々に納得してもらっていたのでしょうか?
都合のいい解釈してきていませんか?
このように実名公表によるメリットよりも
デメリットの方ばかりに意識がいきがちなのは、
(というかメリットが埋もれて見えてこない)
今までの報道の在り方に問題があったからだと思っています。
そして最近はSNSの発達によって
マスコミが自分たちの都合のいいように
切り取りしていることがバレてしまっています。
全ての原因はマスコミの信用問題から来ていると思っています。
まぁSNS自体もプライバシーや名誉を傷つける可能性も孕んでいるので
そういったことも含めて警察も遺族の方も
慎重になるのは当然なことと思いますね。

6.まとめ

最初の方で言ったように私が言及したいのは、
事件に遭われた被害者の実名公表すべきかどうかの一般論ではありません。
今回の京アニ放火事件が
実名公表をする必要があるのかどうか
です。
一般論に無理やりあてはめるのではなく、
まずは一つの固有の事件として考えるべきだと思います。
一般論はあくまでも一般論であって
全てに必ず当てはまるものではないと思っています。

マスコミは、全員実名公表しないと京アニ放火事件の全体像が
正確に伝わらないと主張しています。
この主張が私にはまったく受け入れられません。
きっとおそらく私が考えている
「全体像」と「正確」の定義が
マスコミと違うから
なのだと思いますが、
皆さんはどのように考えますか?

確かに事件の動機は容疑者の聴取ができないと正確にわかりませんが、
京アニ放火事件がどれだけ凄惨で悲惨な事件であることは
多くの国民が認識していると思いますし、
不幸なことにこの事件によって京アニという会社が
どういう会社なのか、世の中でどういう位置づけにあった企業だったのかを
初めて知った方々も多いと思います。

それでも正確に伝わっていないこととは何なのか。
私はそれをマスコミ12社の方々に是非教えてほしい。
そして何故全員実名公表すれば
全体像を正確に知ることができるのか

きちんと説明をしてほしい。
果たしてマスコミは
何を伝えたいと考えているのか。


では今回はこの辺で。
ここまで読んでいただきありがとうございました!